体調を壊して、まずは働いている病院で診てもらったけれど専門的に診てもらうほうがよいといわれました。
体調が悪い中、「どこかいきたい病院ある?」と聞かれ、頭も働いていなかったけれど、専門の病院といわれてもどこがいいのか、近所にいいところがあるのか、はずかしながら全く思いつきませんでした。
私は「といわれても今すぐにはおもいつかないしわかりません」というと、
医師は「住まいはどこ?じゃあ通えるから、関連病院だしうちの(医師が所属している医局のある)大学でいい?」と聞かれ、
「はい、お願いします」といい、紹介状をもらい受診することになりました。
上司と相談をし、夜勤を終えてすぐに受診をしましたが、2交替な上、休憩がとれなかったため疲れはピークで、もちろん体調は悪く受診をしました。
あれよあれよという間に、診察や様々な検査が終わりへろへろでした。
検査中の医師の何気ない発言が頭の片隅に刻まれ、何か悪いものかなと不安でした。
元気ならばたずねることができるのでしょうが、全くいつもの私とは違い何もたずねることもなく、気にはなっていたのに言葉にすることもなく帰宅しました。
休養をとり治療を続けていました。
元気を取り戻したのか、初めてその大学病院を受診した時のことを何気に思い返し、このままでいいのか、あの日なぜ医師はあのように発言したのか、悪いものが見つかったのではないかと不安でたまりませんでした。
それから気になった言葉をひも解くように、医学書やインターネットや友人に問い合わせている自分がいました。
不安は時間の経過とともに募るばかり・・・。
治療方法もあれこれ知るようになり、このままでいいのか、いつも考えていました。
「いい先生と聞いているからきっといい方法なんだ」という思いもあり、「紹介してくれた先生にも悪いし、診てくれた先生に対しても失礼かな」と考えたり・・・。
このように悩む患者さまには、「えらんでいいんですよ。自分が納得の医療を受けることが何よりだし、人がいいといっても人間同士だから合う合わないということもありますから」とか「先生に言いにくかったらかわりにお伝えしますし、わからなかったことなどはなんでもスタッフにたずねて下さいね」といっていた自分に気づきました。
「病院を変えよう、いや変えたい!」と思い、それから病院選びの本を読んだり、インターネットで調べたり、友人に聞いたりする毎日でした。
医療者の私も患者となるとみなさんと全く同じです。
欧米では当然のように公開されている内容であっても、日本では医療や病院に関する情報は極限られています。
1年間の手術の件数、どの医師が何を専門にしているのか、治療成績など全くといっていいほど調べられませんでした。
本に掲載されているのは独自の審査基準となっていることや広告的な掲載で、サービス面の内容を知る上での参考にはなりそうなものが多かった印象です。
インターネットは最新の情報を載せているところがあまりに少なく、驚きました。
友人には本当にお世話になり、感謝しています。心理的に話すことでどんなに助けられたことか・・・。
ただ病院にかかるための情報は、私とあまり変わらない感じでした。
最終的には、インターネットで調べた中で詳細が載っていた病院で友人の情報とかみあっていて、近所の病院(紹介したところは乗り換えもあり40-50分かかっていました)を選び、納得のいく治療を受けられたように思います。
自分自身で選んだこと、元気を取り戻しつつあったことで質問することもできた、何でも話してくれることなど状況が変わったことも影響しているのかもしれませんが。
このときに思いついた言葉は「医局」と「関連病院」という言葉でした。
きっとみなさんも聞いた事があると思います。
この壁にやられてしまっていました。
そして今の医療の問題も見えてきました。
「白い巨塔」は変わらず日本の医療に根強くあることも再認識しました。
日本には医局の壁があるから、何かあれば所属する大学の大学病院へって流れが主流なんですね。
大学の医局というのは、一般社会にあてはめれば、大学が本社で医局がそのなかの様々な課という形でしょうか。関連病院は支社にあてはまりますね、きっと。
製品管理と同じで、一貫した管理といえばいいけれど、病気に限っては物ではないのだから、その専門にかかりたいな、やっぱり。
アメリカでは、専門医を紹介するシステムになっているので、まずかかった小規模の病院の医師は自分のところで診れない患者さまはそのような医師の下へ紹介します。
医局などありませんし、その医師の出身校なども関係しません。
私は始めに住まいもいきたいところもを聞いてくださったことはよかったと思います。
にもかかわらず、近所にいい病院があったのに紹介はなく、調べてももらえず、調べるすべもなく、お決まりの関連病院への紹介がその場で決まりました。
私は、いつでも自分で診れない時や自分たちの施設では希望するお産ができないときに、近所の産婦人科がわかる範囲で紹介できるように、もっと情報を豊かにしていこうと勉強になりました。
これまでも、助産院の紹介や近隣の施設に関しては調べたり、実際にたずねたりして情報を得ていましたが、怠ってはいけないなと思いました。
医師にもぜひ治療の際には、医局にとらわれず専門の医師を紹介できるようになってほしいなと感じました。
私自身は女性や患者様の通院する立場になり、サポートしていただくご家族などの状況や通院する距離なども考え、医療が提供できるようなスタッフになっていきたいなと思っています。
病院を選ぶときは、やっぱり最後には自分が納得のいく治療をしてくれる医師がいる病院が一番いいと思います。
設備がなくてもDr. コトーのコトー先生を選ぶ、島の人たちの思いと私も同じです。
・産科医と助産師の不足←[前] ・ 病院選びってむずかしいなぁ [次]→・病院って高いなぁ・・・